2023年3月30日、韓国のソウルで「民主主義サミット・インド太平洋地域会合」が開催され、ABCJの西垣弁護士(GIT法律事務所 代表社員/パートナー)がパネリストとしてセッションに登壇しました。
オープニングセッションでは、韓国大統領の尹錫悦氏が講演を行い、腐敗防止をめぐる民主主義の意義とインド太平洋における結束の重要性を指摘するとともに、外交部長官(外務大臣)の朴振氏から歓迎の言葉が贈られました。その後、各国の代表による講演が次々に行われ、民主主義の根底における腐敗防止の重要性や、各国における腐敗防止の実践に対する決意が述べられました。
西垣弁護士が登壇したセッション2では、非政府部門におけるステークホルダーの腐敗防止活動をテーマに、5名のパネルストがそれぞれの立場から、世界また各国家・地域の腐敗防止に関する情報が共有されました。西垣弁護士の他、セッションに登壇したパネリストは次の通りです。
Ms. Maria Ressa マリア・レッサ氏(ノーベル賞受賞者、Rappler Philippines CEO)
Ms. Arianne Kassman アリアンヌ・カスマン氏(Transparency International, Papua New Guinea CEO )
Mr. Veerawit Tianchainan ヴィーラウィット・ティアンチャイナン氏(Executive Director of the Freedom Story)
Ms. Siti Juliantari Rachma シチ・ジュリアンタリ・ラクマ氏(Deputy Coordinator at Indonesia Corruption Watch)
西垣弁護士は、昨今の日本企業のビジネスがアジア地域にグローバル展開している事実を踏まえ、企業による同地域での海外贈賄防止活動の重要性を指摘しました。これを受け、司会者からは、日本が国際社会において非常に腐敗の少ない国家だと認識されているにもかかわらず、なぜあえて腐敗防止の重要性を強調する必要があるのかという質問が投げかけられました。
西垣弁護士は、日本社会がアジアの中では比較的清廉であるが故に、日本人や日本企業が海外でビジネスをする際に、腐敗に対して無防備になりがちである点を指摘しました。特に一部のアジア諸国に代表される新興国・途上国では、腐敗行為が日常化していることも多いです。したがって、こうした地域に進出する場合、日本企業は十分な腐敗防止策を講じることができず、問題に巻き込まれてしまうこともあります。
アジア諸国にはそれぞれ解決すべき問題が残されている事実を踏まえ、アジア諸国のステークホルダーとの協調が重要だという点を改めて協調する形で、セッションが閉じられました。
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